宅建 第8回 権利関係 物権変動等のまとめ
こんにちは、編集長(宅建士)Sです。
2019年宅建士試験対策民法(権利関係)8回目物権変動等のまとめをしていきます。民法のだいたい半分ぐらい来ました。
民法は、全14回を予定しております。では早速やっていきましょう。
詳細な解説はこちらをご覧ください。民法の改正に対応しております。 宅建試験 権利関係(民法)の『物権変動について』解説 part1 |
物権変動
まず物権変動です。物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって効力を生じます(民法176条)。
所有権等の物権の移転は、意思表示のみによって生じます。すなわち、契約書を作成するとか、引き渡し、代金の支払いは不要ということになります。
ちなみに、物権変動とは、物権の取得・変更・喪失のことを言います。
もう一つ確認として、物権は、物を直接支配する権利のことを言います。直接支配する権利とはそのものの利用価値や交換価値を有するというものです。絶対権であり排他性が認められています。
物権変動の対抗要件
不動産の物権の変動は、不動産登記法により登記をしなければ、第三者に対抗することはできません(民法177条)。
これは、当事者間では、前述のように、意思表示のみで物権変動は生じています。当事者以外の第三者に対しては登記がないと所有権を対抗できないということです。
対抗とは、簡単にいうと相手に自分の権利を認めさせることです。
登記がなければ対抗できない「第三者」の範囲
第三者とは、当事者及びその包括承継人以外の者のうち、登記の欠缺を主張するのに正当な利益を有する者を言います。
包括承継人とは、相続人などの権利を全体として受け継ぐ人のことです。包括承継人と対比されるものとして、特定承継人があります。特定承継人は、売買などにより権利を取得した人のことを言います。
ちなみに、欠缺とは(けんけつ)と読みます。登記の欠缺とは、登記がないことを言います。
第三者に入らない者『5分類』
①不法占拠者
②不法行為者
③背信的悪意者
④登記申請の代理人となった者
⑤詐欺・強迫により登記を妨げた者
背信的悪意者とはどういう人なのか?
悪意とは民法では『知っている』ことを指します。背信的とは、契約があったことを知ったうえで、登記がないことを利用して、不当な利益を得ようとする者のことを言います。有名な判例に、宇奈月温泉事件判決があるので、確認しておいてください。
危険負担(民法534条)
物権の問題ではないのですが、危険負担(民法534条)についてみておきましょう。
危険負担とは、一言でいうと、売買契約の目的物が不可抗力で滅失・棄損した場合その契約はどうなるのか?というものです。
原則:売買契約の目的物が、引き渡し前に、不可抗力によって、滅失・棄損した場合、買主は代金を全額支払わなければなりません。
例外:条件付きの売買契約で、条件が成就するかどうか未定の間に、目的物が不可抗力で滅失・棄損しときは滅失と棄損で異なります。
滅失の場合は、買主は代金を全て払わなくてもよくなります。
棄損の場合は、買主は代金を全額支払わなけりません。
債権譲渡(民法466~468条)
まだ少し終わるには早いので、ついでに債権譲渡を確認しておきましょう。
債権は、譲り渡すことができます。ただし、債権の性質が譲り渡しを許さないときはできません。
また、当事者が反対の意思表示をした場合も譲り渡しことはできません。ただし、反対の意思表示は第三者に対抗できません。
これは、第三者からすると、債権の譲渡を禁止していることは分からないので、第三者に対抗できないということです。
では、債権譲渡を譲受人が債務者に対抗するにはどうしたらいいのでしょうか。
債権譲渡は、譲渡人(権利を失う者)が債務者に通知をし、又は債務者が承諾しなければ、債務者やその他の第三者には対抗(権利主張)できません。
その通知・承諾は確定日付のある証書によらなけらば、債務者以外の第三者に対抗できません。
これは、債権を二重に譲渡した場合に特に重要になってきます。いつ二重譲渡になるかは譲受人にはわからないので、常に確定日付のある証書によって通知・承諾はしましょう。
また注意すべきこととして、債権譲渡に対して債務者が異議をど止めないで承諾した場合は、債務者が債権者に主張できたことが譲受人に主張できなくなります。
通知をするのは、権利を失う債権者からでなくてはいけません、もし譲受人が自分で通知しても、有効な通知とはなりません。
今日は以上です。少し、大雑把な感じになりましたが、詳しく説明すると収拾がつかくなるのでこの辺でやめておきます。
民法も後7回で終わらせるので、頑張っていきましょう!