宅建試験の権利関係で出題される相続分野の民法改正まとめ part6

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宅建士試験対策

宅建試験の権利関係で出題される相続分野の民法改正まとめ part6

こんにちは、編集長Sです。

今回は前回に引き続き、宅建試験の権利関係で出題される相続分野の民法改正まとめ part6をしていきたいと思います。

配偶者居住権の後半です。

配偶者居住権は相続分野の改正の目玉ですのでしっかりと押さえるようにしてください。

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配偶者による使用及び収益(民法1032条)

改正条文です。

(配偶者による使用及び収益)
第1032条
1 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
2 配偶者居住権は、譲渡することができない。
3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
4 配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。

民法1032条1項について

民法1032条1項は、何を言っているのかというと、配偶者居住権を取得した配偶者は、今でと同じ使い方をして、善管注意義務をうことを規定しています。

ただし書きは、店舗兼住宅などとして居住していた場合です。

居住の用に供していなかった部分とは、例えば店舗として使っていてその部分は住まいとして使っていなかった場合を指します。

この場合、配偶者が無くなったことにより営業をやめた場合にその部分を住まいとして使ってもいいということを規定しています。

民法1032条2項・3項について

配偶者居住権は譲渡することはできません

配偶者居住権は、残された配偶者の居住を確保するために認められたものなので、譲渡はできないということです。

所有権者の承諾なしに増改築・第三者に使用・収益させることはできない

配偶者居住権は、前述のとおり配偶者の居住を確保するために認めれたのですから、所有権者に無断で居住建物の改築若しくは増築をすることはできません。

また、第三者に居住建物を利用・収益させることもできません。

この辺りは、試験で問われそうな感じがします、チェックしておいてください。

民法1032条4項について

民法1032条4項は、1項・3項に違反した場合の所有権者の取れる対応策についての規定です。

ここも、しっかりと押さえておくことで配偶者居住権の濫用があった場合に対応できるようにしておきましょう。

1項と3項に違反についてです。

すなわち、善管注意義務に反した場合と無断増改築と無断で第三者に使用・収益させた場合です。

所有権者が取れる行動は、相当な期間を定めて是正の催告をし、是正が無いときは、配偶者居住権を持っている配偶者に配偶者居住権を消滅させる意思表示をすることによって、配偶者居住権は消滅します。

ポイントは、相当な期間を定めた是正催告をする必要がある事配偶者に対する配偶者居住権を消滅させる意思表示がいることです。

居住建物の修繕等(民法1033条)

改正条文です。

(居住建物の修繕等)
第1033条
1 配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができる。
2 居住建物の修繕が必要である場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、居住建物の所有者は、その修繕をすることができる。
3 居住建物が修繕を要するとき(第一項の規定により配偶者が自らその修繕をするときを除く。)、又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、居住建物の所有者が既にこれを知っているときは、この限りでない。

民法1033条は、配偶者居住権が認められた建物の修繕について、誰が行うのかを規定しています。

民法1033条1項について

まず第一に修繕するのは、配偶者居住権を持つ配偶者です。

いつの使っているので、一番修繕の必要性について知っているのは、建物を利用している配偶者であるからです。

建物の使用収益に必要な修繕をすることができます。

逆に言うと必要以上の修繕はできないということです。

民法1033条2項について

2項は、1項で修繕の必要があるのに、配偶者居住権を持つ配偶者がいつまでたっても修繕しない場合(条文では、相当な期間内に必要修繕としないと規定)に、建物所有者が修繕することができるということを規定しています。

これは、いつまでたっても修繕されないとなると修繕箇所がさらに広がり建物の価値が下がり建物所有者に不利益が生じることを防止するためです。

1033条3項について

建物の修繕が必要な場合であって、配偶者居住権者の配偶者が自ら修繕することをしないときや配偶者居住権の建物について第三者が権利を主張してきたときは、建物所有者に遅滞なく通知すなければならないことを規定しています。

ただし、建物所有者がすでに知っている場合は通知する必要はありません。

居住建物の費用の負担(民法1034条)

改正条文です。

(居住建物の費用の負担)
第1034条
1 配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。
2 第583条第2項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。

配偶者居住権は、無償で建物を使用収益することができる権利です(民法1028条1項)。

そのため、配偶者居住権を持つ配偶者が居住建物の通常の必要費を負担することが規定されました。

有益費は所有者が負担することになります。

そして2項で、民法583条2項の規定を準用しています。

これにより、特別の必要費や有益費については、返還時に価値の増加がある場合などは所有者が、かかった費用か価値増加分を負担することになります。

居住建物の返還等(民法1035条)

改正条文です。

(居住建物の返還等)
第1035条
1 配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物の所有者は、配偶者居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
2 第599条第1項及び第2項並びに第621条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。

民法1035条1項について

民法1035条1項は、配偶者居住権が消滅したことを前提に規定れています。

ここで、配偶者居住権は終身のものだったはずだけど・・・と思った方は鋭いですね。

もちろん配偶者居住権は終身のものです、ですが期間を定めることもできました。

ここで規定されているのは、その期間を定めた場合や配偶者による使用収益の違反があり配偶者居住権が消滅した場合(民法1032条)の配偶者居住権についてです。

そして、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物を返還しなければなりません。

ただし、居住建物に配偶者が所有権を持っている場合は返還しなくても大丈夫です。

配偶者が所有権を持っている場合とは、建物が他の相続人と共有になっている場合が想定できます。

このような場合には、配偶者にも持分に応じた使用収益ができますので、配偶者が所有権が消滅しても、建物の返還を請求することはできないこを規定しています。

民法1035条2項について

民法1035条2項は、準用規定を定めています。

まずは、民法599条1項・2項です。

これは、借主による収去についての規定を準用しています。

これは、賃借した建物にものを備え付けた場合に備え付けたものを収去する義務(民法599条1項)収去する権利(民法599条2項)があるというものを準用しています。

収去する権利とは、借りた建物にもともとついていなかったエアコンをつけた場合など、そのエアコンは持ち帰る権利があるというものです。

収去する義務とは、借りた建物にエアコンをつけたけれど、貸主がエアコンは持ち帰ってくださいといった場合は、持ち帰れなければならないといった義務が生じます。

また、賃借人の現状回復義務のきてい(民法621条)が準用されています。

使用貸借及び賃貸借の規定の準用(民法1036条)

改正条文です。

(使用貸借及び賃貸借の規定の準用)
第1036条
第597条第1項及び第3項、第600条、第613条並びに第616条の2の規定は、配偶者居住権について準用する。

ここは準用規定です。

期間満了等による使用貸借の終了(民法597条)

使用貸借の損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限(民法600条)

賃貸借の転貸の効果(民法613条)

賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了(民法616条の2)

が準用されています。

配偶者居住権は、使用貸借に似ていたり、賃貸借に似ているということになります。

今日はこのへんで終わります。

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