宅建業法 第6回 報酬額等(宅建業法46条)についてポイントまとめ 宅建
こんにちは、編集長(宅建士)Sです。
いよいよ宅建業法も主要な点は確認済みとなってきました。
試験も近いので落ち着かないかもしれませんが、繰り返しが重要です。
この記事を知識の定着や確認にどんどん活用してください。
それでは始めます。
宅建業者の報酬(宅建業法46条)
宅建業法の46条をみても、宅建業者がうけることができる、金額については書かれていません。すべて、国土交通大臣が定めるところのよるとされています。
では具体的にはどのような金額なのでしょか?
そこで、国土交通大臣が定めた、『宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に受けることができる報酬』を見てみると以下のようになっています。
※ちなみに、上記の報酬規程は、1条から9条までと附則からなる4ページ程度のものです。
売買又は交換の媒介の報酬額(報酬規程2条)
売買又は交換の媒介に関する報酬の次のように規定されています。
200万円以下 | 100分の5.4 |
200万円を超え400万円以下 | 100分の4.32 |
400万円を超える | 100分の3.24 |
※令和元年10月1日以前のものです。
となっています。
※小数点以下の端数は、消費税8%のを示しています。増税で10%になったら小数点以下は10%分となります。
よく目にするのは次のよう簡易計算図ですね。
200万円以下 | 5% |
200万円を超えて400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円超える | 3%+6万円 |
この違いはこの時期に確認する必要は内容の思いますが、一応次のようになります。
200万円以下までの報酬+200万円超え400万円以下の報酬+400万円を超える報酬=宅建業者が受ける報酬となっています。
具体的に話すと、土地が3000万円で売買された場合を例にとります。
法定の上限で計算すると
200万円分×5.4%+200万分円×4.32+2600万円分×3.24=103万6800円となります。
簡易な法で計算すると
3000万円×3%+6万=96万円となります。
結論として簡易なほうは、200万円以下と200万円を超え400万以下の部分の差額を6万円として足しているというものです。
これが、一方当事者から受けることができる報酬となります。媒介契約で売主と買主双方を媒介する場合はどちらからも同額の報酬を受けることができます。
売買又は交換の代理についての注意点(報酬規程3条)
上の計算は媒介契約についてのものです。代理の場合は計算自体は同じなのですが、少し異なってきます。
民法ですでに学習済みですが、代理の禁止事項として双方代理が禁止されています。
⇓双方代理の確認はこちらの記事をご覧ください⇓
宅建 権利関係 第6回 代理のまとめ 2019
そのため、報酬は代理の場合は片方のみからしか受けることはできません。
そするとどうでしょうか?代理での契約はしないという選択が横行しませんか?同じ手間暇かけても半額しか報酬が得られないとなると代理は廃れてきますね。
そのためか、代理の場合の報酬は本人から媒介契約の報酬の2倍まで受け取ることができると規定されています。
代理の場合の報酬額は一人から媒介契約の2倍まで受け取れます。
賃貸の媒介の報酬額(報酬規程4条)
依頼者双方から受け取れる報酬の合計は家賃の1か月分と消費税分です。
居住の目的の賃貸の媒介に関しては、双方(貸主・借主)から半額と消費税分です。ただし、内訳は承諾があれば変更できます。
賃貸の代理の報酬額(報酬規程5条)
賃貸の代理の場合は、売買・交換の代理と異なり、賃料1か月分と消費税分の報酬のみです。2倍にならないので注意してください。
権利金の授受がある場合の特例(報酬規程6条)
賃貸の場合で居住用の建物以外の場合について特例があります。
居住用以外の場合には、権利設定の対価として支払われる返還されない権利金というものが設定されていることがあります。
この場合について、権利金を『売買代金とみなして』2条・3条の規定に沿った報酬を受けることができます。
空き家等の売買又は交換の媒介契約の特例(報酬規程7条)
空き家の場合について、400万円以下で宅地又は建物の場合については、現地調査を要する場合その調査費を売主に請求することができます。
ただし、報酬と調査費を合わせて18万を限度とします。
空き家等の売買又は交換の代理の特例(報酬規程8条)
空き家の売買又は交換の代理の場合、普通の代理だと報酬は2倍まで受けることができのですが、調査費用については2倍請求してはいけないというものです。
その他の報酬について(報酬規程9条)
上記の7つの場合以外に報酬を受けることはできません。ただし、依頼者の依頼によって行う広告料については、かかった金額分は料金を請求できます。
また、消費税を免除されている業者の場合は、仕入れ等で自分が支払っている分の消費税以上の消費税を受け取りことはできません。
消費税の課税についての確認
土地は消費されないので売買・賃貸については消費税はかかりません。
また居住用の建物についても消費税ははかかりません。さらに、居住用の場合には権利金についてみなし規定は適用されません。
したがって、消費税が課せられるのは、①居住用建物の売買・交換、②居住用でない建物の売買・交換・賃貸ということになります。
まとめ
報酬は、一人から受け取れる金額の上限が売買・交換・賃貸の目的物の価格や賃料をベースに決まっているのでそれ以上の請求をしないように注意しましょう。
ちなみに、過剰に請求した場合は、業務停止(1年以内)を受けることがあります。
宅建業法のもあと少しです。頑張ってい行きましょう。